隣の芝生は青かった あの会社の手厚い健康保険
突然ですが、医療費に関する問題です。
入院して一ヶ月の医療費が「60万円」かかった場合、実際の自己負担はいくらでしょう?
※すべて健康保険適用内の支払いと仮定
入院して一ヶ月の医療費が「60万円」かかった場合、実際の自己負担はいくらでしょう?
※すべて健康保険適用内の支払いと仮定
- 約18万円
- 約 8万円
- 約 3万円
- 約 2万円
「1」以外はどれも正解です。ただし、「2、3、4」のどれが正解かは入っている健康保険組合によって異なります。例えば、自営業の方などが加入する「国民健康保険(国保)」や、「一部負担還元金」がない会社の「健康保険組合(健保)」の場合、正解は「2」です(一般所得者の場合、高額療養費制度が適用されると83,430円が上限)。 また、「一部負担還元金」がある会社の健保の場合、「3」や「4」が正解となる場合があります。
サラリと流しましたが、今回の主役は「一部負担還元金」です。この制度は「医療費の一部だけ自分で負担して、それ以外のお金が返ってくる」、会社の健保毎に定められている「付加給付金(追加でもらえるお金)」の1つです。この制度がある健保に加入している方は、どれだけ高額な医療費が発生しても1回の医療費が最大でも2万円や3万円など最低限となります。そして、この”上限となる自己負担額”が健保(≒会社)によって異なります。
この制度を図で表すと以下のようになります。

※ただし病院窓口での支払い上限を約8万円とするためには、「限度額適用認定証」を予め健保からもらっておく必要があります。→参考記事
残念ながらこの制度がない健保もありますが、採用している健保は多いようです。私の会社はそれほど大きくありませんが、入っている健保にはこの制度があり自己負担の上限が3万円でした。会社の規模が大きくなくても、加入している健保がそれなりの規模で運営されていると、この給付金がある可能性は十分あります。
さて自分の会社の制度を知ると、他の会社が気になります。インターネットで少し調べてみました。
興味深いのは医療保険で有名なアフラックとオリックスです。これだけ健保の保障が手厚いと、自分たちが売っている医療保険に入る必要はないかもしれませんね。
この「会社の医療保険」とも言える制度、あまり知られていません。少なくとも私の周りで知っている人は皆無でした(15人中0人)。このような情報は、保険会社の営業マンや保険代理店の販売員は教えてくれないので、医療保険を検討する前に自分が入っている健保の医療保障を確認してみてください。(健保のホームページの「医療費が高額になったら」「ケガや病気で入院したら」などの頁に記載されています。分からなければ、電話をすれば丁寧に教えてくれます。)
サラリと流しましたが、今回の主役は「一部負担還元金」です。この制度は「医療費の一部だけ自分で負担して、それ以外のお金が返ってくる」、会社の健保毎に定められている「付加給付金(追加でもらえるお金)」の1つです。この制度がある健保に加入している方は、どれだけ高額な医療費が発生しても1回の医療費が最大でも2万円や3万円など最低限となります。そして、この”上限となる自己負担額”が健保(≒会社)によって異なります。
この制度を図で表すと以下のようになります。

※ただし病院窓口での支払い上限を約8万円とするためには、「限度額適用認定証」を予め健保からもらっておく必要があります。→参考記事
残念ながらこの制度がない健保もありますが、採用している健保は多いようです。私の会社はそれほど大きくありませんが、入っている健保にはこの制度があり自己負担の上限が3万円でした。会社の規模が大きくなくても、加入している健保がそれなりの規模で運営されていると、この給付金がある可能性は十分あります。
さて自分の会社の制度を知ると、他の会社が気になります。インターネットで少し調べてみました。
自己負担額の上限 | 健康保険組合 (以下”健保”と略記) |
1万円 | ファイザー健保(扶養家族は1万5千円が上限) |
1万5千円+α | 出版健保 |
2万円 | トヨタ自動車健保、ソニー健保、オリックス健保、関東ITソフトウェア健保、民間放送健保、東京税務会計健保 |
2万5千円 | NECけんぽ、AIG健保、東京実業健保、近畿電子産業健保 |
3万円 | 第一生命健保、アフラック健保、電気通信機器産業健保、東京化粧品健保 |
4万円 | 東京都洋菓子健保 |
5万円 | 東京都家具健保 |
この「会社の医療保険」とも言える制度、あまり知られていません。少なくとも私の周りで知っている人は皆無でした(15人中0人)。このような情報は、保険会社の営業マンや保険代理店の販売員は教えてくれないので、医療保険を検討する前に自分が入っている健保の医療保障を確認してみてください。(健保のホームページの「医療費が高額になったら」「ケガや病気で入院したら」などの頁に記載されています。分からなければ、電話をすれば丁寧に教えてくれます。)
- 補足
- 健康保険の扶養家族の医療費にも同様の還付金があり、「家族療養付加金」と言います。
- この還付金は事前の申請は必要ありません。医療費の支払いから約3ヶ月後に健保から振込先口座を申請する紙が届くので、記入して返信すると振り込まれます。
- 「一部負担還元金」を設けている健保は約5割ですが、使用者*1や労使共済会からの医療給付金も含めると約8割の会社でこのような制度が設けられています。*2
- 自己負担額の上限は平均約37,500円です。これは非採用も含めた平均値です。*2
*2...出所:生活経済研究所長野(2011年1月末時点)
※貴重なデータのご提供ありがとうございました!- 健康保険の扶養家族の医療費にも同様の還付金があり、「家族療養付加金」と言います。