ピクテのインデックスファンドが興味深い3つの理由
投資を長く続けていると、初心者の頃に感じていた疑問をきちんと解決しないまま忘れてしまうことがよくあります。11月22日に参加した「ピクテ投信インデックスファンド説明会」は、「投資信託」を買い始めた頃に感じていた素朴な疑問を思い出させてくれました。
そして今回お話いただいた「ピクテ投信・商品開発チーム北根さん」は、私の疑問をすっきり解決してくれました。
今回、説明のあったピクテのインデックスファンドはこの二つです。
・ピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ - 中国H株
・ピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ - ブラジル株
これらのインデックスファンドが、他のインデックスファンドと違って興味深いのは以下の3つです。
7年前に感じた疑問とは・・・
「外貨を両替えすると為替手数料がかかり、株を売買すると売買手数料がかかるのに、投資信託を売買するときの外貨や株の取引手数料は、いつ・誰が負担しているんだろう?購入時の手数料がゼロの投資信託を買った私の取引手数料はいったい・・・」
そして今回お話いただいた「ピクテ投信・商品開発チーム北根さん」は、私の疑問をすっきり解決してくれました。
今回、説明のあったピクテのインデックスファンドはこの二つです。
・ピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ - 中国H株
・ピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ - ブラジル株
これらのインデックスファンドが、他のインデックスファンドと違って興味深いのは以下の3つです。
1.投資コストの透明性を確保
投資家が投資信託を購入し、運用会社がそのお金で外貨や株を買うときに必ず手数料(以下、投資取引コスト)が発生します。この「投資取引コスト」は、ほとんどの投資信託では微々たる「解約時信託財産留保額」が発生する程度(もしくはゼロ)で、その代わり「信託報酬」とは別の「その他費用」として”毎年”ファンド保有者から徴収しています。(「隠れコスト」と言われることもあります)
実はこの「その他費用」がくせ者で、ファンドを持ち続けている人が、途中でファンドを買った人や解約した人の「投資取引コスト」を負担させられます。毎年発生する「その他費用」の分だけインデックスと乖離する大きな要因となりえます。
ピクテのインデックスファンドは、本来発生する「投資取引コスト」を”明確にし”、「ファンドを買うとき(現金→有価証券に変わるとき)」と「ファンドを売るとき(有価証券→現金に変わるとき)」の両方のタイミングで、投資家から「信託財産留保額」をきちんと頂こう、というものです。
※ブラジルでは購入時に必ず2%の金融取引税がかかる。またレアル⇔円の為替コストも中国H株(香港ドル建て)よりは高くなるため、上記の手数料となっている
※証券会社に支払う「申込手数料」や「解約手数料」などの仲介手数料はゼロ
2.投資価格のズレを解消
外国株に投資する投資信託は、投資家からお金を預かると「外貨に両替する」「有価証券を購入する」の2ステップが発生し、日にちを跨ぐことが多々あります。ところが投資家と約束している「ファンドの購入単価」は購入申し込み日のものであるため、「投資家のファンド購入単価」と「運用会社が実際に有価証券を取引する価格」は差額が発生します。
実はこの差額も購入申し込み者ではない「ファンド保有者」が、そのリスク(上下のブレ)を負担することになりますが、このインデックスファンドでは「投資家のファンド申し込み」と「運用会社の両替と証券取引」を同じ日に行っているため、「ファンド予約単価」=「有価証券の取引価格」となっているそうです。
※どうやって為替取引を同日に行うかは企業秘密とのこと
※中国H株のファンドは「12:30までの注文」に対して、その日の基準価格が適用される
3.開発者の北根さんが熱い
ピクテ投信北根さんの投資信託にかける思いが熱かった。業界の慣例を打ち破る取り組みは好感が持てます。
さて、ここまで書いて「フェアな手数料徴収と透明性の確保」「ファンド保有者に無駄な手数料損をさせない」「インデックスと限りなく連動させる工夫」「熱い思い」と中国/ブラジル投資をする際の商品としてかなり魅力を感じたのですが、、、やはり引っかかるのは「信託報酬(0.945%)」です。
ただ、新興国は「信託報酬」では見えない「その他費用」が大きくなりがちな投資対象なので、その点をきっちり比較してみると(中国株・ブラジル株に投資したい場合は)この信託報酬でも有力な選択肢になってくるかもしれません。
<前回開催された商品説明会の模様>
・ピクテ初のインデックスファンドはブラジルと中国。担当者「自分が欲しいものを作りました」
・「ピクテの新インデックスファンドシリーズに関する説明会」に参加してきました
追記1:今回、このような会をセッティングしていただいたピクテ投信さん、内藤忍さんありがとうございました。
追記2:「信託財産留保額」って分かりづらい用語ですね。「投資取引手数料」とかもう少しピンとする名前にしてほしいものです。あと「信託報酬」も「隠れコスト」を合わせて「年間手数料」でダメでしょうか?(毎年変動してもいいから・・・)
投資家が投資信託を購入し、運用会社がそのお金で外貨や株を買うときに必ず手数料(以下、投資取引コスト)が発生します。この「投資取引コスト」は、ほとんどの投資信託では微々たる「解約時信託財産留保額」が発生する程度(もしくはゼロ)で、その代わり「信託報酬」とは別の「その他費用」として”毎年”ファンド保有者から徴収しています。(「隠れコスト」と言われることもあります)
実はこの「その他費用」がくせ者で、ファンドを持ち続けている人が、途中でファンドを買った人や解約した人の「投資取引コスト」を負担させられます。毎年発生する「その他費用」の分だけインデックスと乖離する大きな要因となりえます。
ピクテのインデックスファンドは、本来発生する「投資取引コスト」を”明確にし”、「ファンドを買うとき(現金→有価証券に変わるとき)」と「ファンドを売るとき(有価証券→現金に変わるとき)」の両方のタイミングで、投資家から「信託財産留保額」をきちんと頂こう、というものです。
購入時の信託財産留保額 | 0.4% | 2.6% |
解約時の信託財産留保額 | 0.4% | 0.6% |
※証券会社に支払う「申込手数料」や「解約手数料」などの仲介手数料はゼロ
2.投資価格のズレを解消
外国株に投資する投資信託は、投資家からお金を預かると「外貨に両替する」「有価証券を購入する」の2ステップが発生し、日にちを跨ぐことが多々あります。ところが投資家と約束している「ファンドの購入単価」は購入申し込み日のものであるため、「投資家のファンド購入単価」と「運用会社が実際に有価証券を取引する価格」は差額が発生します。
実はこの差額も購入申し込み者ではない「ファンド保有者」が、そのリスク(上下のブレ)を負担することになりますが、このインデックスファンドでは「投資家のファンド申し込み」と「運用会社の両替と証券取引」を同じ日に行っているため、「ファンド予約単価」=「有価証券の取引価格」となっているそうです。
※どうやって為替取引を同日に行うかは企業秘密とのこと
※中国H株のファンドは「12:30までの注文」に対して、その日の基準価格が適用される
3.開発者の北根さんが熱い
ピクテ投信北根さんの投資信託にかける思いが熱かった。業界の慣例を打ち破る取り組みは好感が持てます。
- 投資信託業界は長く「信託財産留保額」の問題に手をつけてこなかったし、気づいていない専門家も多い。
- ピクテだからできた、ピクテでこの商品を作りたかったから転職した。
- 大手百貨店でお年寄り向けのデザイナーにはなりたくなかった、給料も年金も預金金利も恵まれない自分達と同じ若い世代のために、自分が欲しいと思えるような、しかもフェアな商品を作りたかった。
- MSCI指数はあくまで商品、基本的にデータを扱うには有償の指数だし未来永劫続くか分からないので今回の商品のインデックスには使わなかった。
- MSCIエマージングのインデックスファンドを作らなかったのは、他社がすでにやっているから。そこに参入しても小さいパイを取り合うだけ、ピクテでやる必要はないと思った。
さて、ここまで書いて「フェアな手数料徴収と透明性の確保」「ファンド保有者に無駄な手数料損をさせない」「インデックスと限りなく連動させる工夫」「熱い思い」と中国/ブラジル投資をする際の商品としてかなり魅力を感じたのですが、、、やはり引っかかるのは「信託報酬(0.945%)」です。
ただ、新興国は「信託報酬」では見えない「その他費用」が大きくなりがちな投資対象なので、その点をきっちり比較してみると(中国株・ブラジル株に投資したい場合は)この信託報酬でも有力な選択肢になってくるかもしれません。
<前回開催された商品説明会の模様>
・ピクテ初のインデックスファンドはブラジルと中国。担当者「自分が欲しいものを作りました」
・「ピクテの新インデックスファンドシリーズに関する説明会」に参加してきました
追記1:今回、このような会をセッティングしていただいたピクテ投信さん、内藤忍さんありがとうございました。
追記2:「信託財産留保額」って分かりづらい用語ですね。「投資取引手数料」とかもう少しピンとする名前にしてほしいものです。あと「信託報酬」も「隠れコスト」を合わせて「年間手数料」でダメでしょうか?(毎年変動してもいいから・・・)